東海支部の活動について

新聞掲載記事

更新:2006/04/05

東海支部長に聞く

日本弁理士会東海支部 平成18年度支部長 後藤 憲秋
略歴:1946年岐阜県生まれ。中央大学法学部卒業。74年弁理士登録。92―03年朝日大学法学部講師。95―現在名古屋大学講師。04年黄綬褒章(弁理士功労)。03-04年研修所副所長、05年東海支部副支部長。主要著書「知的財産法概論[第2版]」(05年)ほか。

東海支部長に聞く

早速ですが、新支部長の抱負をお聞かせ下さい。
 東海支部は、平成19年1月に支部開設10周年を迎えます。先輩達が築いた支部10年間の「東海支部」ブランドを受け継ぎ、発展させていくとともに、これを節目として、足下を見直し、次の一歩を踏み出したいと思います。

東海支部は伝統的に対外事業に熱心ですが、その理由は何ですか。
 弁理士は、特許・商標等の産業財産権の創造から保護、活用に至る実践現場における唯一の実務的専門家であるとともに、知的財産権全般に通暁した知財専門家であります。日本弁理士会東海支部は、知的財産に関する専門家集団として、その社会的要請に応え社会的責任を果たすために、地域内における企業及び公的機関ならびに教育機関による知財活動の活性化を積極的に推進、支援します。今年度の当支部の活動指針は「知的財産による豊かな国づくりに向けて-東海支部は、地域知的財産活性化を推進し支援します-」です。

主な活動はどのようなものですか。
 活動を大きく分けると、次の支部主催事業と公的機関への協力、支援の二つになります。

                   ┏(1) 常設特許相談の運営
Ⅰ.東海支部の主催事業  ━┫(2) 知財セミナーの開催
                   ┃(3) 教育機関の支援
                   ┗(4) 定例イベント
                   ┏(5) セミナー等への講師派遣
Ⅱ.公的機関への協力・支援━┫(6) 知財相談等の相談員派遣
                   ┗(7) 知財関連会議等の委員の受任

活動の第一に、常設特許相談を挙げられていますが…。
 はい、特許相談は、弁理士が知財専門家として社会に対して行う最も基本的な活動だという認識です。東海支部の原点でもあります。東海支部の前身となった名古屋分室は昭和56年にこの常設特許相談を実施するために弁理士有志の寄付によって開設されました。
 この分室での特許相談を15年間続けて東海支部ができたのです。現在は、名古屋商工会議所ビル8階の東海支部室で、週日の午後1時から4時まで、当番の弁理士が交替で常駐して、企業や一般の方々からの相談に無料で応じています。相談対象は知的財産権全般ですが、当番担当者の専門もありますので事前に問合せ、予約をされるのが効率的です。相談内容は秘密に取り扱われます。

支部各地で休日パテントセミナーという講習会が開催されておりますが、その内容と本年度の開催予定は…。
 東海支部では、弁理士による知的財産全般に関するシリーズ講習会「休日パテントセミナー」を開催しております。このセミナーは、知的財産制度の一般市民に対する周知・啓蒙活動を、弁理士による地域に根ざした社会的奉仕活動と位置付けて、平成12年に開始され、以後毎年開催しています。
 一般市民や企業関係者の方々が知的財産に関する全体的、網羅的な理解が得られるようにシリーズ形式の講習会とし、さらに参加が自由で便宜な休日(土曜日)に開催しています。平成17年度は、名古屋市(7回)、豊田市(5回)、浜松市(5回)、津市(4回)、岐阜市(2回)、松本市(3回)の各地で開催しました。今年度もほぼ同様規模で実施する予定です。

大学等の教育機関を支援する活動もされているということですが。
 教育機関支援は、政府等の「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」を受け、知財専門家である弁理士がその社会的要請に応じて、支部地域内に所在する小・中学校、高等学校及び大学等の教育機関に対し行うものであります。東海支部は、「教育機関支援機構」を組織して「大学キャラバン隊」と「小中高校出前授業」を遂行しています。「大学キャラバン隊」は、大学の教職員及び学生に対して、大学での知的財産をいかに創造し的確に保護し活用していくかについて、基礎的な研修から要望により応用・実践演習まで行います。

小学校等への出前授業というと、どのようなものですか。
 「小中高校出前授業」では、創造力豊かな人材の育成や知的財産を尊重する精神の涵養を目的として、科学することの楽しさとともに知的財産の創造と尊重の重要性を学ぶための知財特別授業を行います。小学校では「サラカップル」や「カタシャンボトル」という小道具や電子紙芝居を用い(例えば「君も今日からエジソン」等)、身近な発明品を中心に学習します。【写真(右上参照)・清水高部小】

東海支部が行うその他の定例イベントについてお教え下さい。
 (1)4月23日(日)「発明の日わくわくフェア」(産業技術記念館)
 毎年、4月18日の「発明の日」の直近の日曜日に、「わくわくフェア」が開催されています(囲み案内参照)。東海支部はこれに共催して、ミニイベント(小学生向き工作)及び特許相談を行っています。工作は、手軽に簡単にできるもので、昨年度は、延べ500名のお子さん達が参加しました。
 (2)7月1日(土)「弁理士の日」記念イベント(名古屋商工会議所ビル)
 7月1日「弁理士の日」の直近土曜日に記念イベントを開催しています。知財セミナー(5講座)、特許電子図書館検索体験、特許相談会を予定しています。
 (u)(3)平成19年1月31日(水)「支部開設10周年」記念イベント(ホテル名古屋ヒルトン)
 東海支部は1997年(平成9年)1月31日に開設されました。今年度は10周年にあたり、記念講演、記念式典、祝賀会を予定しています。
【写真(左下参照)・ヒルトン(平成18年1月27日の記念講演会より)】

公的機関への協力支援として、どのようなものがありますか。
 第一に、セミナー支援があります。国や県、市その他の公的機関からの申込みにより、弁理士の講師派遣をしています。昨年度では、総務省の「ITベンチャー知的財産戦略セミナー」「塩尻」及び「静岡」では、全部で10日間で、派遣した講師は延べ39名にのぼりました。ほかに、愛知県の研究職員に対する研修(3日間・講師3名)をはじめとして、県、市及びその機関、公社、商工会議所等々へ、要請があれば積極的に対応します。
 第二に、知的財産に関する相談会への弁理士派遣も行います。
 第三には、知財関連会議等の委員の受任等があります。地元の知財活性化活動の要となる中部経済産業局「中部知的財産戦略本部」及び愛知県「あいち知的財産創造プラン推進協議会」等に委員を派遣して、弁理士としての立場から積極的に協力しております。また、県や市が行う各種の補助金制度の審査やイベントの協力員などを派遣しております。

たくさんの社会的事業を行われておりますが、弁理士の会員の方々の努力も大変だと思います。
 その通りです。東海支部としましても、東海支部の弁理士による社会的活動の内容を拡充するために様々な手段を講じています。第一の手段として、支援員としての能力を開発し、高めるための講習を随時やっています。第二の手段として、ベテランの弁理士を支援員を登録してもらって、慢性的な講師不足を解消して、幅広い講師層を確保するとともに、支援ノウハウのベテランから新人への伝承を図るようにしています。

本日はありがとうございました。