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新聞掲載記事

更新:2007/04/07

特許権侵害への対応

 特許権は独占排他権であるため、第三者による侵害行為があった場合には、権利者に差止請求権(特許法第100条)、損害賠償請求権(民法第709条)、信用回復措置請求権(特許法第106条)等が認められています。
 しかし、侵害の疑いがあるからといって、すぐに警告書の送付や訴訟の提起を行うのではなく、侵害が成立するか否か事前に入念な確認を行うことが重要です。
 まずは、自己の特許権が存続しているか、及び無効理由(同法第123条)のない権利であるかを確認しておく必要があります。特許権侵害訴訟においては、無効理由を有する特許権の行使は認められていません(特許法第104条の3)。

 また、侵害行為や侵害品を明確に把握して証拠の確保を行うとともに、相手方の実施が特許発明の技術的範囲内のものといえるかどうかを確認します。この際、弁理士の鑑定や特許庁の判定などの客観的判断を利用するのが効果的です。
 侵害成立の確証を得たら、内容証明郵便等、証拠が残る形で警告書を送付し、裁判外での和解交渉を試みます。当事者間の交渉が不調に終わった場合には、訴訟提起についての意思決定が必要となりますが、いずれにしても専門家の助言を受けながら慎重に判断する必要があるでしょう。

弁理士 正木 美穂子