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新聞掲載記事

更新:2007/07/30

悪徳商法にご注意!

 最近、巷では、「振込み詐欺」、「フィッシング詐欺」など、他人をだまして金品を奪ったり損害を与える詐欺行為が横行し、世の中を賑しております。同様に、詐欺行為を商売とするいわゆる悪徳商法も増加しています。
 実は、この悪徳商法は、知的財産権の世界でも存在しています。そこで、今回は、この知的財産権に絡んで行われる悪徳商法について、幾つかの事例を紹介させて頂きます。

 ではまず、民間業者の「知的所有権登録」という詐欺行為について触れておきます。これは、発明や商品名についてあたかも著作権で保護できるかのように宣伝広告し、比較的安価な費用で登録業務を行うというものです。
 しかしながら、そもそも発明や商品名は、著作権で保護を受けることはできませんし、また、民間の業者の登録を媒介として権利の有効性が認められるなどということもあり得ません。言い換えれば、この業者の行なう登録は、単なる自己満足にすぎず、何らの法的な効果も期待できないのです。

 次に、特許庁が発行する公報を悪用し、ダイレクトメールを通じて金銭を要求してくる悪徳商法を紹介します。特許庁に対し特許や商標の出願をして一定期間が経過すると、出願した内容を示す公開公報というものが発行され、また、特許や商標の登録がなされると特許公報や登録公報といったものが発行され、これら公報は広く一般に公表されます。
 この悪徳商法は、こうした公表された公報から出願人や権利者の住所・氏名といった情報を得て、出願人や権利者から不当に金銭を騙し取ろうとするものです。例えば、公報が発行されたこと理由に、「公開された記念」、あるいは「発明を売り込む際に公報が必要」などと偽って金銭を請求するダイレクトメールを送り、代金が振り込まれると、単にコピーしただけの公報を発送するといったものがあります。

 ちなみに、これらの公報は、特許庁のホームページ内にある「IPDL特許電子図書館」で、誰でも縦覧でき、また、プリンターさえあれば誰でも印刷することができますので、高額なコピー代を支払って入手するようなものではありません。また、私的な団体が権利者に対し表彰を行なうなどと称して金銭を要求するケースもあります。このような表彰は、表彰状やトロフィーを売りつけるだけの目的で行なわれるものです。
 従って、このような表彰状等が、権利行使に有利に働くなどということもありません。なお、これらのダイレクトメールは、あたかも権威のある団体であるかのように装ってなされる場合が多いので注意が必要です。

 そのほかにも、外国人がダイレクトメールを利用して行なう悪徳商法もありますのでご注意下さい。
 例えば、外国の企業から商標権者に対し、その企業が発行する書籍や電子媒体に商標を掲載すると、その商標は著名商標として扱われ、あたかも通常の商標よりも権利保護上有利に扱われるかのような謳い文句で金銭を要求してくるものです。また、以前、「国際経済内の商標登録料」というタイトルで商標出願した者に対し、根拠のない金銭を請求するという詐欺が横行したこともありました。こうした外国人からのダイレクトメールは、当然、英語で記載されておりますが、とかく英語に弱腰になってしまう傾向のある我々日本人は、英語というだけで権威性を認めがちなところがありますので十分に注意して下さい。

 最後に、不当にライセンス料が要求されるケースを紹介しておきます。これは、ある日突然、「貴社が商品を販売する行為は、私共の権利侵害に該当しますのでライセンス料を支払ってほしい」といった内容証明が送られてくるケースです。もちろん、こうした内容証明には正当な権利者からの正当な権利行使によるものもありますが、中には、とても権利侵害とは思えない内容の権利を振りかざして高額な金銭を要求してくる場合があります。
 特に、予め自己使用する意思のない商標や特許を、ライセンス料の所得のみの目的で保有するいわゆるブローカーと呼ばれる者もおりますので注意が必要です。

 このように、一見、詐欺や悪徳商法とは無縁と思われがちな知的財産権の世界にも、悪徳業者は存在しております。特に、最近、知的財産権への国民の関心が高まっておりますが、この高まりに乗じて詐欺をおこなう者も増えているようです。いずれにしても、悪徳商法というものは巧妙に行われるものですから、知的財産権に関し「ホントかな」と思ったら、日本弁理士会にご相談下さい。
 なお、日本弁理士会東海支部では、知的財産権に関する無料相談を毎週月曜日から金曜日(祝日を除く)の午後1時から4時まで実施しております(予約制)。希望される方はTEL:052-211-3110までお問い合わせ下さい。


弁理士 伊藤 浩二