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新聞掲載記事

更新:2004/05/21

近頃の特許無料相談所

 特許無料相談所の相談員をやっておりますと、近年、個人の発明者の方が、特許事務所に依頼せずにご自分で出願及び先行技術調査を行うケースが増えたように感じます。
 けだし、自ら出願及び先行技術調査を行うことは、知的財産の理解を深めるためにも、出願及び調査の経費を節減するためにも大変良いことであります。また、このようにご自分で出願する方が増えた背景には、知的財産の注目度が高まってきたこと、誰でも特許庁に申請さえすれば、無料(送料必要)で出願ソフトの配布を受けられること( http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ 参照)、自由に特許庁の電子図書館( http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl 参照)を利用可能になったこと等が挙げられます。

 しかしながら、相談を受けていると、出願に関して詳しい知識がある方が、「他人の権利を侵害しているか否かの侵害調査」を全く行わずに、発明品の製造計画を進めているケースによく出くわします。また、このケースでは、ご自分の発明が権利登録されれば、他人を気にせず自由にその発明品を製造することができると思っている場合が殆どです。この記事を読まれて、「えっ、そうじゃないの?」と思われた方は要注意です。自分の特許発明が、他人の特許発明を利用している場合には、例え特許権を持っていても自由に発明品を製造することができないからです。

 また、相談を受けていると、もう少し早く相談所に来ていれば、もっとよいアドバイスができたのにと思える場合があります。近年、知的財産の専門家である弁理士の増加に伴い特許無料事務所の数も増えてきました。しかしながら、その多くは有効に利用されていないように思われます。勿論、特許無料相談所では、無料の範囲でしかアドバイスを受けられませんが、問題点の指摘を受けるだけでも価値はあると思われます。従いまして、特にご自分で出願及び調査をされている方は、頻繁に利用されることをお勧めします。

 なお、特許無料相談は、中部地区では名古屋商工会議所にある日本弁理士会東海支部(052-211-3110)で平日は毎日行っており、そこに問い合わせれば、近隣の相談所を紹介することもできます。

 

弁理士 松浦 弘