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新聞掲載記事

更新:2009/03/13

【弁理士コラム】もうすぐ春

 寒く厳しい冬もそろそろ終わりという、今頃になると、不動屋さんの車で物件探しをしている新大学生らしき人々を見かけるようになる。親元を離れて新生活を始める彼らにとって、一人暮らしの始まりの日は「自分史に残る日」になるのだと思う。私自身、一人暮らしの始まりの日に感じた、限りない開放感を今でもよく覚えている。
 覚えていること、という観点から大学時代を振り返ると、様々な人々と共有した時間が次々と思い浮かぶ。もっとも、本業の学業関連の記憶が心許ないものとなっているのは、些か残念なところではある。そんな中、特別に心に残っている講義もある。村上陽一郎教授による科学史の講義である。科学を俯瞰的に眺めながら、科学の根底には常に自然に対する畏敬の念があったことを教えて頂いたことは、私の一生の財産だと思う。
 物件探しの彼ら一人一人にも、これからそんな出会いが待っていのだと思う。新しい何かへの期待感が街中に溢れる春はもうすぐ。この季節、なぜだか新しいことを始めたくなる自分はとても日本人だと、つくづく感じる。

弁理士 関根 由布