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新聞掲載記事

更新:2004/09/21

Q&A

Q.新聞やテレビなどで「知的財産権」という言葉を耳にしますが、どのような権利なのでしょうか。
A.知的財産権とは、人間の幅広い知的創造活動から生まれた技術やデザインや音楽等の知的な創造について与えられる権利です。私達は、こうした知的創造活動から生まれた新たな技術によって便利な生活を送ったり、お気に入りのデザインの洋服を着たり、美術品をみて豊かな心を育み、音楽を聴いて楽しみ、美術品を見て心豊かな生活を送ったりすることができます。このように、人が創造した知的な創造物は、人類の幸福につながる大きな財産であるため、知的財産権としていろいろな法律によって保護されています。

Q.知的財産権にはどんな種類があるのですか。
A.特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などがあります。

Q.知的財産権と工業所有権とは同じ権利なのですか?
A.工業所有権とは、知的財産権の中でも特に特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つの権利を総称する言葉です。最近では、工業所有権のかわりに産業財産権と呼ばれております。

Q.特許権とはどんな権利でしょうか。
A.特許権とは、自然法則を利用した技術的なアイデアを創作した人が、そのアイデアを独占的に実施できるという権利です。特許権を取得するためには、特許庁に対してそのアイデアの内容を記載した書類を提出しなければなりません。そして、審査官の審査によって一定の要件(例えば新規性があること、当業者が容易に考え付く程度を超える進歩性があること等)を満たすと判断された場合に特許が認められます。
 一方、提出された出願書類は1年6月後に一般に公開されます。こうして公開された発明は第三者の知り得るところとなり、さらにその発明を改良したり、その発明を利用した新たなアイデアが生まれたりして、技術が累積的に進歩することになります。このように、特許制度は、発明の公開の代償として特許という独占権を認めることにより、発明の創作を促し、その活用を図るための制度であるといえます。

Q.特許権と実用新案権の違いはなんですか。
A.どちらの権利も、自然法則を利用した技術的なアイデアが保護の対象であり、その技術的なアイデアの実施を独占して行うことができる権利であるという点では同じです。ただし、実用新案制度では、発明までの高度性のない、いわば小発明とでもいうべき考案も保護対象となる点で特許権とは異なります。
 また、実用新案制度は、小発明の迅速な保護を図るという制度趣旨から、出願された考案は原則として全て登録されるという、無審査主義が採用されています。このほか、権利の行使においていろいろな制限が課されるとか、権利の存続期間が特許権より短いといった違いもありますます。

Q.意匠権とはどんな権利ですか。
A.意匠権とは、いろいろな物品についての工業的なデザインである意匠を保護するための権利です。意匠の対象となる物品は、工業的にある程度量産される必要があり、一品制作の木彫りの彫刻とか、絵画などの美術品は保護の対象となりません。意匠権として登録されれば、他人がその意匠を真似して無断で製造したり、販売したり、輸入したりすることが禁じられます。

Q.商標権とはどんな権利ですか。
A.商標権とは、商標(トレードマーク)を商品や広告などに付して使用する行為を独占することができる権利です。消費者は商品を購入するとき、商標がテレビや新聞のコマーシャルでよく見かける商標が付されていれば、その商標が付された商品を購入しようとする心理が働きます。
 また、一定の品質の商品に一定の商標が付されていれば、その商品についてその商標を繰り返し使用していた結果、その商標に品質保証的な機能を発揮します。信用が蓄積されます。このため、その商標に蓄積された信用を財産として認め、これを保護するものが商標権です。

Q.著作物にはどんな種類があるのでしょうか。
A.著作権の保護対象である著作物は、たくさんの種類があり、時代とともにその種類も多様なものとなってきています。代表的な著作物としては、小説、脚本、論文、音楽、舞踏、絵画、版画、彫刻、建築、映画、写真などがあります。このほか、地図、コンピュータプログラム、データベースなども著作物として認められています。

Q.コンピュータプログラムは著作物だけでなく、特許の対象ともなると聞いたのですが?
A.そのとおりです。コンピュータプログラムの著作権は、そのプログラムを複製したりすることを禁止する権利ですが、プログラムのアイデア自体が保護されるものではありません。これに対して、特許権としてプログラムが保護されると、そのプログラムの背後にあるアイデアが保護対象となります。

Q.知的財産権として保護されるためには、前もってどこかに登録しておかなければならないのですか。
A.知的財産権の種類によって異なります。上記の知的財産権のうち、登録しないと認められないのは、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権です。これらの権利は、特許庁に対して出願し、登録されなければ権利が発生しません。これに対して、著作権は、登録されていなくても創作した時点で権利が発生します。

弁理士 青山 陽