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新聞掲載記事

更新:2004/10/21

特許公報の読み方

 特許申請の際に特許庁に提出した申請書類は、申請日から約1年6月後に公開されるルールになっている。これは、公開特許公報(以下、公報)という文献の形で特許庁において公開され(特許庁HPの特許電子図書館よりダウンロード可能)、この公報を見れば、誰でも他人の発明を知ることができる。ただし、この公報は、一般の人にとって読み易く書かれているとはいえない場合もあり、発明の内容を理解するのに苦労することもある。そこで、この公報を読むコツの一例を紹介したい。
 公報は主に、「特許請求の範囲」「発明の詳細な説明(明細書)」「発明の実施の形態(発明を実施するための最良の形態)」「図面」「要約書」という欄に分かれている。発明の内容をズバリ記載しているのは「特許請求の範囲」であるが、この欄はとりあえず飛ばし、最初に「要約書」を読んでみる。「要約書」はその名の通り、発明の内容を要約した欄であり、短い文章なので、先ずこれを読み発明の概要をイメージする。うまく発明の概要をイメージできないこともあるが気にせず、次に、「発明の詳細な説明」中の、「従来の技術(背景技術)」「発明が解決しようとする課題」といった欄を読む。ここには、発明のバックグラウンドや、発明がどのような技術課題を解消しようとしているかが記載されており、発明の内容をスムーズに理解するための予備知識となる。
 そして次に、「発明の実施の形態」の欄に進む。ここは、発明の内容が最も具体的に記載されている欄であり、図面と照らし合わせながら読むとよい。

 ここまで読めば、公報の概要は多くの場合把握できる。そして、最後に「特許請求の範囲」や「発明の詳細な説明」中の「課題を解決するための手段」等を読む。これらの欄は「発明の実施の形態」の記載事項を、概念的に或いは、ぼやかした表現で記載している場合が多いため、「発明の実施の形態」中の事項との対応関係を意識しながら読むことで内容が理解しやすくなる。
 公報の読み方は人それぞれであるが、上記のような順序で読むことで、不慣れな人でも公報の内容を効率よく理解できるのではないだろうか。

弁理士 今井 亮平