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新聞掲載記事

更新:2012/11/30

ネットで写真や動画を使う~最近の法改正から(1)~

写り込みの問題

 facebook、ブログ、ホームページなどインタネットを通じて、著作物(音楽、絵画、写真など)を利用する機会が増えています。他人の著作物は著作権法で保護されていますから、原則として、これらを無断で利用することはできません。
 では例えば、友人の写真を撮影したのですが、たまたま有名なキャラクターグッズが写ってしまったような場合、または、動画を音声とともに撮影したのですが、たまたまお店で流れていたBGMが一緒に録音されてしまった場合、どうなるでしょうか。

なにが問題?

 キャラクターグッズやBGMの音楽も他人が著作権をもっている著作物であるかもしれません。そうなると、キャラクターグッズやBGMの音楽の著作権者の承諾がなければ、そのような写真や動画それ自体を使えないことになります。
 メインでなくサブの位置づけにすぎないのに、それはたいへんな手間です。

著作権法平成24年改正法

 そこで、新しい法律では、サブの位置づけにすぎない著作物の利用について、例外的に著作権者の承諾がいらないということになりました。
 新著作権法30条の2は以下のように書かれています。

(付随対象著作物の利用)
第三十条の二 写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて、当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴つて複製又は翻案することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

注意すべき点

 この例外が認められるためには、対象となる著作物が「付随対象著作物」である必要があります。この「付随対象著作物」であるためには、条文では、「対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる」こと、(全体の)「写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る」こと、「著作権者の利益を不当に害すること」がないこと、が必要です。
 写り込んでしまったキャラクターグッズやBGMの音楽は、分離することができず、サブ的な存在であり、権利者の利益を不当に害さない場合にのみ使えるということになります。

弁護士・弁理士 水野 健司