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新聞掲載記事

更新:2004/11/21

特許出願や実用新案登録出願を経済面から支援する制度

 技術的に優れた発明又は考案をすれば、その発明又は考案について特許或いは実用新案登録を受けたいと誰もが思うでしょう。しかし、特許出願や実用新案登録出願を行うには少なからず費用がかかります。特許出願を例に取れば、まず、特許庁に支払う特許出願料があります。
 自分の創作した発明が既に世の中に知られたものであるか否か(既に知られていれば、その発明には新規性がなく特許を受けることができません。)を調べるための先行技術調査を行う場合にはその調査に要する費用がかかります。
 また、特許出願の際に特許庁に提出する書類(特許を受けたい発明の構成や効果、実施例等を記載した明細書、図面等)の作成を含む出願手続の一切を外部の弁理士に依頼すればその手数料、即ち弁理士費用がかかります。潤沢な資金のある大企業ならともかく、個人や中小企業或いはベンチャー企業にとって特許出願或いは実用新案登録出願に要する資金の調達は容易ならざるものでしょう。その一方で、「知財立国」政策を背景とした知的財産の創出および保護に対する産官民の意識の高まりにより、経済的な側面から特許出願または実用新案登録出願を支援する様々な制度が次々と新設されています。そのような支援制度(施策)の幾つかを簡単に紹介いたします。

(1)先行技術調査に関する支援制度
 新規性を有さず権利を取得し得ない発明又は考案について特許出願又は実用新案登録出願を行うことは費用と労力の無駄です。先行技術調査を行うことによってそのような無駄を回避することが可能となります。社団法人発明協会では、特許庁委託事業として、中小企業、ベンチャー企業の方を対象に実用新案登録出願であればその出願前に、特許出願であれば出願後であって審査請求を行う前に、先行技術調査を行うサービスを無料で行っています。詳しくは(社)発明協会各県支部にお問い合わせ下さい。

(2)弁理士費用に関する支援制度
 日本弁理士会では、所定の条件を満たす個人、中小企業、ベンチャー企業の方を対象に、弁理士費用を含む出願手続費用の全部又は一部を無担保無利子で立て替える手続費用融資制度を設けています。また、所定の条件を満たす個人の方を対象に、弁理士費用を含む出願手続費用の全部又は一部を日本弁理士会が負担する手続費用給付制度を設けています。詳しくは日本弁理士会のHPをご覧頂くか日本弁理士会知的財産支援センター事務局までお問い合わせ下さい。

(3)その他の支援制度
 知的財産の保護強化が産業政策の柱となっている現在、多くの自治体が、中小企業やベンチャー企業の方を対象とした特許出願等に関する何らかの支援制度を設けています。例えば、東京都や愛知県には外国特許出願費用の一部(補助対象経費の2分の1以内)を助成する支援制度があります。これら支援制度の内容や応募時期は自治体ごとに異なります。各自治体の担当部署に問い合わせてみるとよいでしょう。

日本弁理士会東海支部所属
弁理士 安部 誠