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新聞掲載記事

更新:2012/12/28

ネットで写真や動画を使う~最近の法改正から(2)~

アノニマスによる抗議

 報道によると平成24年6月、国際的ハッカー集団アノニマスが違法ダウンロードの刑事可罰化について日本政府と日本レコード協会に抗議をしたとされています。
 違法ダウンロードの可罰化とはどのようなものなのでしょうか。

私的利用の例外

 著作物を利用する場合は原則として著作権者の承諾が必要になりますが、例外的に私的利用の場合は著作権者の承諾がなくてもよいとされています。

(私的使用のための複製)
第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

 つまり、個人的又は家庭内などの限られた範囲内では、例外的に著作権者の承諾がなくてもその著作物を利用することができます。

さらに例外

 私的利用は例外的に著作権者の承諾なくして著作物を利用できますが、さらに以下の場合は利用できないとされています。

一  公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二  技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
三  著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合

 ここで問題となっているのは最後の3号に書かれている内容です。簡単にいえば、違法にアップロードされたものと知りながら、その著作物をダウンロードをすることは、私的利用の例外にはあたらない。つまり、違法なダウンロードとなるということです。

平成24年の法律改正

 今回の改正では、被害者等からの請求があれば、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、またはその両方を科すことができるようになりました。この法律は世界でも珍しいといわれており、国際的ハッカー集団の標的とされました。
 著作物を自由に使いたいという一般利用者の利益と、音楽や動画などに著作権をもつアーティストやレコード会社の利益との両方をバランスよく調整することが求められており、また刑罰が規定されたということで、警察や検察が今後どのような運用を行うのかが注目されます。

弁護士・弁理士 水野 健司