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新聞掲載記事

更新:2013/02/28

特許庁での面接審査

 久しぶりに三谷幸喜原作の映画「笑の大学」を観た。物語の設定は戦争直前の昭和15年。国民の娯楽である喜劇は規制され、台本が検閲を通らなければ上演中止となる。映画では、笑いに理解のない検閲官役の役所広司と、喜劇作家役の稲垣吾郎とが警視庁の取調室で面談し、稲垣の台本に役所が次々と無理難題を課す。稲垣は上演許可に向けて毎日台本を書き直して持っていく。その構図が特許庁で行う「面接審査」に似ているなと常々思う。私がまだ特許事務所の所員として駆け出しのころ、審査官のイメージは怖い顔をした役所そのものであった。しかし、特許庁で実際に会った審査官はどなたも紳士的で、役所のように「不合格」というハンコを眼前で押すようなことはしなかった。書面でのやり取りだけでは、審査官の意図が十分に判らないこともあるが、やはりそこは人間同士。膝を突き合わせて話をすれば、拍子抜けするほどすんなりと拒絶理由を解消することがある。

弁理士 渥美 久彦