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新聞掲載記事

更新:2014/12/25

Q&Aと活用例で学ぶ知的財産(1)

   私は、11月15日の休日パテントセミナー2014in各務原において首記の演題で具体例をたくさん用い、
  知的財産権について初心者を対象に話をしました。その概要を2回に分けて報告します。全体は、知財制度の基
  礎知識の解説と、Q&A形式によるトラブル事例の解説と、具体的な4つの知財活用例のご紹介とから構成され
  ています。

  1.知財制度の基礎
   今回講義した知財制度には、産業財産権である特許法、実用新案法、意匠法及び商標法に加え、著作権法と、
  不正競争防止法も含まれ、加えてこれらの権利の侵害と、これらに関するインターネット情報が含まれます。さ
  らに今回は、来年施行される予定の特許法等の改正概要と、新規な知的財産保護法である「地理的表示法」
  (略称)についても触れました。
   解説すべき制度が多岐にわたるため、これを網羅的に説明することはできず、各法律による保護の方法の全体
  像を各法制度を比較して説明し、後の各法については重点説明にとどめました。その後、それぞれの法によって
  保護を受けている実例を、公報や新聞記事などの具体的事例でそれらの法律がどのように社会の身の回りで使わ
  れているかの説明をしました。

  2.トラブル事例Q&A
   続いてQ&Aですが、各法律別に合計28の質問を用意し、それに回答して行く中で、自然と知的財産につい
  ての理解が深まり、また、注意すべき点が分かるようしました。これらのQ&Aは、弁理士業務を遂行する中で
  扱った事例から抽出したものが多いので、聞いていただいた方にも身近なこととして聞いてもらえたと感じまし
  た。いくつか質問を例示します。
   「日本で特許が取れたら外国でも権利行使可能か?」「独自のノウハウがあり特許出願して公開したくないが
  保護は図りたい。何か手段は?」「同じ発明(考案)について特許と実用新案との両方での保護が可能と聞きま
  したが、本当ですか?」「『®』と『TM』とはどう違うのですか?」「『お客様の声』を、自社の宣伝として
  勝手に掲載して良いですか?」「『ひこにゃん』事件がなぜ、あれだけ問題になったのですか?」「良くメール
  の署名欄の後に『※このメールの内容に心当たりの無い場合には、・・・』という文言がありますが、それには
  どういう意味があるのですか?」・・・。
   回答例として、『ひこにゃん』については、以下の写真の通り実物を示しながら、著作権と著作者人格権との
  関係を説明し、譲渡契約で「著作者人格権を行使しない」旨の記載が重要であることを説明しました。

                                            弁理士 西尾 務