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新聞掲載記事

更新:2015/06/30

突然の警告状~商標調査の重要性~

   「貴社が使用する商標〇△は、当社が所有する商標権を侵害するものである・・」このような内容の警告状は
  当然受け取りたくないものです。しかし、文字や図形・音や色彩など商標と認識される表示を使用していると警
  告状がやって来る可能性があります。しかも突然に。
   商標法上、他人の登録商標と同一またはこれと類似の商標を使用すると商標権侵害に該当する場合があります。
  よって、一般名称や普通名称化したことが明らかな表示を使用する場合、出所表示ではなく説明的表示であると
  明らかに判断できる場合などを除き、他人が所有する先行出願・登録商標の調査をしないと紛争発生のリスクは
  確認できません。
   商標調査を怠ったばかりに、侵害の警告を受け、想定外の費用や手間をかけて商標の変更(商品パッケージ或
  いは看板の変更または削除など)を強いられることがあります。また、商標調査を行わず商標の使用を開始し、
  現状は何の問題も発生していない場合であっても、紛争が顕在化していないだけで、潜在的には紛争発生のリス
  クとなり得る他人の登録商標が存在することだってあります。そして、一旦紛争が発生し、仮に権利者側の主張
  が妥当であれば、理論上は係争の対象商標を使用することはできないので、その商標を使用して商品やサービス
  を提供することはできません。
   商標は自他商品役務の識別を図るための標識です。商標が使用できないということは、消費者からすると商品
  購入の際の目印となる商標を手掛かりに商品やサービスを探し出すことができません。同じ商品に異なる商標を
  付して販売する場合には、消費者は、認識していた商標とは異なるため品質も異なるのではと思い購入を躊躇す
  るかもしれません。その結果、商標の変更が商品・サービスの売り上げに影響する可能性があるのです。
   このような事態を回避するための有効な手段は何でしょうか?答えの一つは、商標の使用開始前の調査の実施
  です。商標登録の可能性及び紛争発生のリスクを事前に確認するのです。
   同一または類似の商品やサービス分野での「同一の」第三者商標の有無であれば、特許庁のデータベースや民
  間会社が提供するデータベースを用いて比較的に簡単に調査することができます。一方、商標の類否や自他商品
  役務識別力の有無については、専門的な知識と経験に基づいた慎重な判断が必要です。警告書を受け取るといっ
  た事態を未然に防ぐため、新規商標採択の際には、弁理士への調査の依頼をご推奨します。

                                           弁理士 前田 大輔