東海支部の活動について

新聞掲載記事

更新:2016/04/28

日本弁理士会東海支部長 小西 富雅 氏に聞く

   日本弁理士会東海支部の2016年度支部長に小西富雅氏が就任した。東海支部は愛知、岐阜、三重、静岡、
  長野の五県をエリアとして、会員弁理士約800人で活動。日本を代表する「ものづくり産業の集積地」で、知
  的財産の創造・活用に向けて地元の中小企業を積極的に支援している。16年度は「東海支部設立20周年」の
  節目の年であり、地域社会に対する貢献活動を充実させる構え。「次の10年を展望して、中小企業支援に注力
  する。重要性が高まっているグローバルな知財活動にも対応していく」と話す小西支部長に本年度の活動方針を
  聞いた。

 ―小西支部長体制となった東海支部の活動方針は。
  「東海支部は設立以来、地域社会の知財活動への貢献とものづくり産業を支える中小企業の支援に取り組んでき
  た。おかげさまで、本年度は支部設立20周年の節目の年を迎える。これまでの活動を検証するとともに、次の
  10年を展望して地域社会に対する貢献活動を充実させる方針だ」
  「特に中小企業の支援に注力する。中小企業を直接訪問する『弁理士知財キャラバン事業』、中小企業経営者と
  語り合う『知財経営サロン』、中小企業へ最新情報を提供する『知的財産セミナー』などを積極的に展開する。
  さらに日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟に伴い、中小企業のグローバルな知財活動の支援にも
  取り組む」

 ―前年度から進めている弁理士知財キャラバン事業について。
  「弁理士には近年、出願代理業務にとどまらず、経営コンサルティング機能が求められている。企業経営には、
  知財を活用した事業戦略を立案することが必要だ。キャラバン事業は、そうしたスキルを持った弁理士が中小企
  業を訪問し、業績向上につながる支援を行う。例えば、商品開発・設計変更時のマーケティングや権利侵害の有
  無についてサポートする。今後は、成功事例の発表も検討したい」

 ―グローバルな知財活動の支援では。
  「今や中小企業にも、進展するビジネスのグローバル化への対応は避けて通れない状況にある。知財活動も同様
  であり、単なる外国法制度の理解にとどまらず、実際のビジネスに役立つ支援が求められている。そこで地元行
  政の協力を得ながら、中小企業が海外の特許事務所を使いやすい仕組みを検討していく。例えば、海外の県事務
  所をコアにして、周辺の特許事務所、通訳、警察、税関等とチーム(コンソーシアム)を作り、県下中小企業が
  海外で行う知財活動をサポートする仕組みを想定している。新輸出大国コンソーシアムの一助になることも期待
  している。」

 ―教育機関の支援、セミナー・イベントの展開はどうか。
  「教育機関支援では『大学キャラバン隊』『小中高校出前授業』や名古屋市立大学の寄付講座などを継続実施し
  ていく。また、経営者と弁理士の意見交換の場である『知財経営サロン』は、さらに内容充実に向けて中小企業
  関連団体との連携強化に取り組む。市民向けの『休日パテントセミナー』『弁理士の日記念イベント』は継続し
  て、知財のアピールに努める。異業種交流展示会『メッセナゴヤ』には本年度もブース出展し、弁理士と知財の
  活用を広く呼びかけていく」

 ―支部設立20周年を契機にした取り組みは。
  「広く一般市民も対象にした『懸賞論文』を募集する予定で準備を進めている。テーマは『10年後の弁理士に
  求める知財活動支援のあり方(仮称)』。ものづくりと産業構造が変化する中で、弁理士には常に先進の技術を
  見極める力が求められている。社会のニーズに即した未来型の弁理士像を提言してもらいたい」
  「また、東海支部の組織・活動の方向性を検討し、10年後のビジョンをまとめる。近年は『企業内弁理士』が
  増えるなど、弁理士を取り巻く状況は変化している。東海支部会員の帰属意識を向上させるように、委員会活動
  の活性化を図りたい」