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新聞掲載記事

更新:2017/02/28

不正競争防止法について

   不正競争防止法、いわゆる「不競法」は、事業者間での公正な競争を確保するために、その名のとおり、不正
  な競争行為を規制する法律です。法で規制される不正な競争行為に該当すると、使用差止めや損害賠償請求とい
  った民事責任の対象となり、また、刑事罰の対象にもなります。
   不正な競争行為とされる代表的な例は、他人が使用しよく知られている名称や商品形態などを真似したり、他
  人の営業秘密を持ち出してそれを利用したりすることです。最近では、うがい薬のキャラクターの使用をめぐっ
  て紛争となりましたし(この件は和解で終了しました。)、昨年末には、著名な喫茶店の店舗外観を真似たとし
  て店舗使用を禁止する裁判所の判断が出され、ニュースになりました。顧客名簿が持ち出されたり、技術情報を
  外国企業に漏らしたりして刑事処罰されている事例もよく耳にするところです。他には、飲食店などが品質や原
  産地を偽装する行為も不正な競争行為とされ、過去には刑事処罰された事例があります。このように、不競法と
  いうのは身近な法律なのです。
   上記の代表例のように、名称や商品形態を真似したり、営業秘密を持ち出したりする行為が規制の対象となれ
  ば、真似される側の名称や商品形態、持ち出される側の営業秘密の保護につながります。これらも会社にとって
  は重要な知的財産ですから、不競法も知的財産を保護する法律の一つとして位置づけられています。不競法も、
  特許法、意匠法、商標法、著作権法などと同じく、知的財産保護において重要な役割を担っているのです。
   では、特許法などの知的財産法と比較して、不競法にはどのような違いがあるのでしょうか。図に示すように、
  特許法などでは特許権などの権利を取得して初めて保護される状態となりますが、不競法では他人の行為が規制
  され、その裏返しとして自らの知的財産が保護されるという点で大きく違っています。不競法によって保護され
  るには、権利を取得している必要はありませんが、他人の行為が、法で規制される不正な競争行為のパターンに
  あてはまることが必要となります。
   特許権などの権利を積極的に取得して自らの知的財産を保護することはもちろんですが、他人によって自らの
  商品・サービス名や商品形態などを真似されたり、営業秘密が持ち出されたりした場合には、不競法を適用でき
  ないか検討することも対応策の一つです。経済産業省のホームページでは、不競法に関する説明や資料が充実し
  ていますので、とても参考になります。

                                       弁護士・弁理士 早瀬 久雄

図