東海支部の活動について

新聞掲載記事

更新:2017/04/28

日本弁理士会東海支部長 中村 敬 氏に聞く

 日本弁理士会東海支部の2017年度支部長に中村敬氏が就任した。東海支部は愛知、岐阜、三重、静岡、長野の
5県を支部地域として、会員弁理士約850人で組織する。東海地域は、「日本のものづくり」を支えている製造業
の集積エリア。東海支部の会員弁理士は、知的財産の創造・活用に向けて地元企業とともに歩み、地域の発展に貢献
してきた。東海支部は16年度に「開設20周年」を迎え、17年度は次の10年に向けた新たな道筋を示す年とな
る。「知的財産と弁理士の有用性を広くアピールし、中小企業支援のために存在感ある活動を展開する」と話す中村
支部長に、本年度の活動方針を聞いた。

 -本年度に東海支部が取り組むメイン事業は。
  東海支部は7年前から中小企業経営者と弁理士が知財問題についてフリートーキングを行う「知財経営サロン」
  を開催してきた。4年前からは愛知県との共催である。この東海支部の知財経営サロンの取り組みをモデルにし
  て、日本弁理士会本会が本年度から「知財広め隊」の新規事業を開始することになった。東海支部は本会の知財
  広め隊とリンクしながら、知財経営サロンをよりグレードアップしていきたい。

 -具体的な事業展開は。
  東海支部では15、16年度の2カ年にわたり、『弁理士知財キャラバン活動』を事業展開してきた。
  キャラバン活動は、知財を活用した経営戦略立案に向けて、スキルを持った弁理士が中小企業を訪問してサポー
  トするもの。この事業は本年度も継続していく方針。そこで本年度は、知財経営サロンとキャラバン活動を連動
  させる考え。サロンに参加した経営者のニーズに応じて、企業訪問のキャラバン活動に発展させる。
  また、知財経営サロンは愛知県のみで展開しているが、本年度は支部エリアの岐阜、三重、静岡、長野の各県で
  も同様の取り組みを拡大していきたい。それぞれの県委員会が活動の一環として取り組み、各県との共催も目指
  す。さらに、東海支部と長野県、富士宮市との協定締結@10@周年を迎えるため、長野県と富士宮市ではサロ
  ン実施などの積極的な活動を検討する。

 -異業種交流展示会「メッセナゴヤ」への出展について。
  名古屋商工会議所が主催する『メッセナゴヤ』には、7年前からほぼ毎年ブース出展している。ミニセミナーや
  無料相談会を開催し、出展企業の経営者や来場する企業関係者に知財の重要性と弁理士の活用を呼びかけてきた。
  本年度は新たに、『メッセナゴヤ』の出展企業を対象に特許出願状況や特許権取得状況をリサーチし、集計デー
  タを発信する。特許出願しないで新製品や新技術を展示会に出展するのは、模倣されるリスクが大きい。わかり
  やすいデータで特許出願の必要性をアピールする。

 -中小企業のグローバル展開の支援では。
  中小企業の海外進出や海外ビジネス取引は加速しており、知財活動の必要性は高まっている。外国で生産する場
  合でも、外国で販売する場合でも、特許出願や商標登録は必要になる。だが、中国や米国への出願は高額な費用
  が必要。その際に愛知県などの自治体は補助金制度を設けている。支部では、その情報を積極的に発信していき
  たい。
  昨年度は、東海支部国際知財委員会が、名古屋市の姉妹都市・ロサンゼルスに派遣された。それを契機に、ロサ
  ンゼルス知的財産権法協会との定期交流が進められている。今後は支部地域の5県とコンタクトを取り、中小企
  業が姉妹都市でビジネスする場合の知財活動支援をお願いしていく。また、弁理士会本会の国際活動センターと
  調整して支援体制を整える。
 -東海支部の組織活性化はどうか。
  広報活動に力を入れる。知財活動の成功事例を広く発信するとともに、特許権侵害が犯罪であることも強く発信
  すべきだと考えている。また、組織活性化に向けて『フレッシュ委員会』を立ち上げ、若手会員に会務に積極的
  に参加する仕組みを構築する。さらに、中小企業の関心が高い知財関係の契約事項について、スキルを身につけ
  るために「知財契約検討委員会」を新設する。