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新聞掲載記事

更新:2005/06/29

出願から取得までの手続き

 「特許をとりたい」と思っても実際に特許をとるには何をどうしたらいいのか悩む、という話をよく耳にします。特許出願は必要な書類を揃え必要事項を記載する形式的な手続きだけでなく、煩雑な手続きが絡んできます。今回は、特許出願から特許権を取得するまでの手続きについて考えてみたいと思います。

1.先行技術調査
 特許権を取得するためには、発明が新規性・進歩性を満たしていることが必要です。新規性とは、「特許出願の日を基準として発明が新規なものであること」です。進歩性とは、簡単にいえば「その技術分野に精通している人であれば誰でも簡単に思いつく発明でない」ことです。進歩性の判断は困難で、特許庁においてもしばしば問題になります。発明の内容と先行技術とを個別具体的に検討することが必要です。新規性および進歩性を満たしているか否かを、すでに公開されている資料等を出願前に調査し、特許権を取得できる可能性があるか否かを検討する必要があります。

2.特許出願
 特許出願は、願書に特許請求の範囲・明細書・図面・要約書を添付して特許庁へ提出することにより行います。願書には発明の名称や出願人、発明者の氏名や住所等を記載します。特許請求の範囲には特許を取得しようとする発明を記載します。明細書には発明の詳細な説明、例えば、従来技術・発明が解決しようとする課題・課題を解決するための手段、実施例等を記載します。図面には、システム構成やフローチャート等を記載します。図面は必要ない場合、省略することができます。要約書には発明内容の要約を記載します。

3.出願審査請求
 特許出願しただけで特許権はとれません。特許庁に対して出願審査請求を行い、特許出願を審査してもらう必要があります。出願審査請求は特許出願の日から3年以内に請求しなければなりません。

4.審査請求後の流れ
 出願審査請求がなされると特許庁は順に特許出願を審査します。全ての特許要件が満たされている場合には審査官から特許査定がなされます。しかし特許要件を一つでも満たしていない場合、審査官はその旨を拒絶理由通知によって指摘します。拒絶理由通知に対しては、意見書によって反論する、手続補正書を提出し明細書等を補正することにより拒絶理由を解消できる場合があります。
 ただし、明細書等の補正には種々の制約、例えば新規事項を追加してはいけないといった制約があるため注意が必要です。拒絶理由が解消されれば特許査定がなされ、意見書・手続補正書を提出しても拒絶理由が解消しなければ拒絶査定がなされます。しかし、拒絶査定がなされても、拒絶査定不服審判の請求、更には拒絶審決に対する審決取消訴訟の提訴を行い争うことができます。

5.特許取得後
 特許査定を受けたら速やかに特許庁へ特許料を納付します。特許査定がなされても特許料を納付しなければ特許権は発生しません。
 以上簡単に説明しましたが、特許権取得に際する手続は複雑なことも多くあります。信頼できる弁理士に適宜相談することが強い権利を速やかに取得する近道だと考えます。

弁理士 都 陽子