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新聞掲載記事

更新:2006/03/05

シリーズ「日本知的財産仲裁センター」第3回~センターにおける判定~

 日本知的財産仲裁センターは、日本弁理士会と日本弁護士連合会により設立したADR(裁判外の紛争解決手段)機関です。日本知的財産仲裁センターでは、弁護士、弁理士、学識経験者がそれぞれの知識と経験を活かして、相談、調停、仲裁、判定、ドメイン名紛争裁定などにより、知的財産権に関する様々な問題の解決にご協力しております。
 そして、2004年3月から「センター判定」という新しいサービスを行っています。例えば、気になる他人の特許があり、製品の販売に不安を持たれた場合、権利行使に先立ち第3者の意見を求めたい場合、他人の特許の有効性について第3者の意見を求めたい場合などに、お気軽に当センターのセンター判定をご利用下さい。当センターでは、単独判定という形態の判定を受け付けており、この単独判定の利用が増えてきています。

センター判定の概要
 センター判定は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権に関して、対象物がそれらの権利範囲に属しているか否かの判定、また、それらの権利の登録に無効理由があるか否かの判定を弁護士・弁理士各1名の2名で行います。センター判定には、申立人だけが当事者となる単独判定と、被申立人も当事者となる双方判定があります。なお、特許庁が行っている判定(特許法第71条、実用新案法第26条、意匠法第25条、商標法第28条)と区別するために「センター判定」と呼んでいます。

センター判定の種類
4つのパターンの判定があります。
1.判定の審理形式により2種類に分かれます。
1)単独判定
 申立人が提出した主張及び証拠資料に基づいて行うもので、被申立人の存在しない判定です。
2)双方判定
 申立人及び申立人が指定した被申立人がそれぞれ提出した主張及び証拠資料に基づき行われます。

2.判定の目的により2種類に分かれます。
1)範囲判定(判定対象が権利範囲に属するか否かの判定)
 (1)判定対象物若しくは方法が、特許発明又は登録実用新案の技術的範囲に属するか否か。
 (2)判定対象意匠が、登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属するか否か。
 (3)判定対象標章の使用が、商標権又は防護標章登録に基づく権利の効力の範囲に属するか否か。
2)無効判定(権利の有効性についての判定)
 特定の特許、実用新案登録、意匠登録又は商標登録について特許又は登録に無効事由があるか否か。

センター判定の特徴(単独判定の有効利用を)
 特許庁が行っている判定は、上記の4つのパターンのうち、範囲判定かつ双方判定の場合のみです。範囲判定かつ単独判定、無効判定かつ単独判定、無効判定かつ双方判定は、センター判定特有のものであります。特に、範囲判定かつ単独判定、無効判定かつ単独判定の2つのパターンの単独判定が利用されています。単独判定では、判定結果が判定申立人以外に通知されることはありません。つまり、第三者(例えば、特許権者)に知られることなく、当センターによる判定を受けることができ、大きなメリットと言えます。

センター判定の審理と効力
 判定の審理形態は、提出された判定申立書および資料について審理したうえで、口頭審理を原則としています。審理期間は、単独判定では申立を受理から3月以内、双方判定では被申立人の反論である答弁書受理から4月以内を目標として進めます。
 センター判定は、当センターとしての見解ではなく、当センターが選任した専門家である判定人の意見であり、何人に対しても拘束力を有するものではありません。また、センター判定に対する不服の申立(裁判を含む)もできません。

センター判定の判定人について
 判定申立があった場合、当センターの判定人候補者名簿から弁護士及び弁理士各1名を判定人として選任します。判定人は、判定当事者との間で利害関係を有しないことを確認するために、「利害関係に関する言明書」を提出するなどの情報開示義務を負うものとされています。センターでは、センター判定が公正かつ客観的なものとなるようなシステム化に努めています。

センター判定の判定申立人の代理について
 判定の申立及び判定手続は、当事者本人又はその代理人を通じてなすことが可能です。代理人は、弁護士又は弁理士がなることができます。

センター判定申立手続きについて
 判定の審理は、判定申立人(および被申立人)より書面および資料について行うものであり、新たな資料を判定人が調査することはありません。判定を申し立てられる場合には、ある程度の資料をご準備いただいたうえで申立をお願いします。

センター判定費用について
1.基本手数料
<単独判定の場合>
1)申立手数料
 金31万5000円(判定申立時に納付頂く費用です。)
2)口頭審理期日手数料
 金10万5000円/1回(口頭審理期日終了後に納付頂く費用です)
<双方判定の場合>
1)申立手数料
 金42万円(判定申立時に申立人による納付頂く費用です。被申立人が応諾しなかった場合には、受理・応諾確認手続手数料(31,500円)以外の申立手数料が、返還されます。)
2)口頭審理期日手数料
 各金10万5000円/1回(口頭審理期日終了後に、申立人と被申立人の双方より納付頂く費用です。)

2.追加手数料(単独判定、双方判定の双方に適用されます。)
 申立てにおける判定事項が1増す毎、または判定を求める本件の数又は対象物等の数が1増す毎に、上記の申立手数料の2分の1が加算されます。

センター判定(単独判定)の手続きの流れ(図参照)

日本知的財産仲裁センター
名古屋支部運営委員会
委員 向山正一