新聞掲載記事

経営の攻めに使えるツール・知的財産権

  • 戦略/活用

 既存の技術分野では将来が不安。新規技術分野に進出したい。自社の技術を「攻めの経営ツール」として活用する方法はないか?

 企業の開発担当者でもある学生からの質問です。社会人学生も多い私の研究科では、特許事務所では経験できない情報が飛び交い、学生間の研究テーマに事欠きません。この質問は実践的なので、次の前提の下でワークショップを試みました。

 社会・経済環境の変化は、勢いのある産業分野をも変化させている。その変化を予想し、迅速に自社技術を新たな分野で活用できれば、無理のない新規事業展開ができるという前提です。結論は次のようになりました。参考にしてください。

 最小限の費用でその突破口を見つけることが重要。そのために、特許などの知的財産権を「攻めの経営ツール」とする。その第一歩として、新規分野での目新しい成果物を創作し、自社技術をインパクトのある方法で可視化する。技術の可視化の手段は、成果物のデザインでのアピールとするが、技術の核心は営業秘密とする。成果物には意匠登録あるいは特許出願中と表示し、類似品の出現を数年間牽制し、知的財産により、技術力のある企業だと印象付ける効果を狙う。

弁理士 飯田 昭夫

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