新聞掲載記事

2023年末のビッグニュース/弁理士 下上 晃一郎

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 2023年現在、日本における著作権の保護期間は、原則として「著作者の死後70年」です。保護期間が経過すると著作権は消滅し、著作物はパブリックドメインとして自由に利用することができます。例えば、明治~昭和初期の文豪の作品は多くがインターネットで公開されており、誰でも無料で閲覧できます。
 米国では、著作権法が初めて制定された1790年以降、保護期間は14年、28年、50年と、段階的に延長されてきました。2003年以降に発行された著作物の場合、著作権の保護期間は死後70年です。
 世界的に親しまれているミッキーマウスの著作権は、ディズニー社が所有しています。ミッキーマウスは1928年に初期版が初めて公表されました。法改正の関係から上記の保護期間とは異なり、ミッキーの著作権は公表から95年後の12月31日まで保護されます。つまり、これまで95年もの間存続していたミッキーの初期版の著作権は、あと数週間で消滅してしまうのです!(諸説あります)
 ただし、初期版の著作権が消滅したとしても、現代風に変更された他の版の著作権は残る可能性があり、さらに商品のデザインやロゴマークは意匠法・商標法・不正競争防止法などで保護されますので、誰でもミッキーを自由に利用できる、というわけではありません。その点ご注意ください。

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