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「商標」が登録されるための条件~『良い商標』で登録できることを目標に~

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  • 商標(ブランド)

 出願した商標が登録されるには、法律で定められた種々条件をクリアしなければなりません。条件については細かく基準が定められていますが、審査官は独自で審査することができ、また、個々の事案で背景事情も異なるため、一見似たような事案同士でも同様の審査結果になるとは限りません。これが、事前の予測を難しくしています。

 この事実を踏まえつつ、出願した商標がクリアすべき代表的な条件である「自他商品役務(サービス)識別機能を有すること」と「他人の出願商標又登録商標と同一又は類似でないこと」に触れてみます。

 

1.自他商品役務(サービス)識別機能を有すること

 自社の商品又は役務(サービス)と他社の商品又は役務とを識別させる力が弱いものは、商標としての基本的機能を持たないとして、登録を受けることができません。この類型として条文で挙げられているものとその例を表Aに示します。

 表Aに挙げたのは教科書的な例ですので、わかりやすいです。しかし、実際のご相談で多いのは、もっとグレーな事例です。例えば、商品「電子計算機用プログラム」に「AI Research」又は「AI 分析」はどうでしょう?前者は登録されていますが(登録第6355165号)、後者は拒絶になっています(商願2018-113105)。予測が難しいですね…。

 グレーな事例で出願すべきか否かには色々な考え方があると思います。例えば、「保険」のようなイメージで、防衛目的の観点から出願するという考え方もあります(先に他人が登録してしまったらその他人の商標権侵害となりかねないため)。一方で、「保険」にしかならないなら敢えて出願しないという考え方もあるでしょう。商標の構成やマーケットでの立ち位置等の背景事情によって登録すべきか否か異なり、一律には判断できませんので、弁理士等の専門家とご相談されるとよいと思います。

 

2.他人の出願商標又登録商標と同一又は類似でないこと

 前記1.の条件をクリアしても、他人の出願商標又登録商標と同一又は類似の商標は、登録を受けることはできません。類似か否かは、「読み方(称呼)」「見た目(外観)」「意味(観念)」の基準で判断するのが基本です。これらの基準で類似又は非類似と判断される教科書的な例を、表Bに示します。

 こちらも、実際のご相談では、もっとグレーで判断に迷う事例が多いです。しかし、もし他人の出願商標又登録商標と類似すると判断されて登録できなかった場合は、その商標を使うこと自体が他人の商標権侵害となりかねず、リスクが生じます。このような場合は、その商標の採択自体を再考すべきか、あるいは、他の方策を採ることができるか、弁理士等の専門家にご相談されることをお勧めいたします。

(なお、商標は、商品又は役務(サービス)と分かち難く結びついていますので、商標同士が同一又は類似とされるには、商品又は役務も同一又は類似であることが必要です。)

 

3.その他

 前記1.2.の2大条件の他にも、商標が登録されるためには、クリアすべき条件が種々あります。ただ、種々条件をクリアできるとしても、商標は、ブランドを守り育てる「ツール」であり、「とにかく登録できればいい」というものではありません。種々条件をクリアしつつ、「ツール」として、使い勝手がよく、脆弱でもなく、自社商品・サービスの優位性を持続できるような『良い商標』で登録できるように、弁理士等の専門家の力を借りることをお勧めいたします。


                                                               弁理士 廣田 美穂

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