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インド特許法の特徴的な制度

新聞掲載記事

    今回は、インド特許法の特徴的な制度をご紹介します。

    【1】インド特許庁と特許出願件数
    ●インド特許庁
     日本特許庁に相当するのは特許意匠商標総局であり、その下部機関としての特許庁(以下「インド特許庁」という)・商標登録局・著作権登録局等から構成されます。インド特許庁は、コルカタ本局、デリー支局、ムンバイ支局、チェンナイ支局から成り、日本からインド代理人を通じて行われた特許出願は、インド代理人の住所を管轄する局が受付けることとなります。以前は技術分野や審査の早さ・質等を考慮し、インド代理人を選択することで希望の局の審査を受ける方法もありましたが、近年の電子化により出願審査は一度纏められた上で4局のいずれかにインド特許庁内部で振分けられるようになったので、出願を受付けた局と審査を担当する局とが異なるようにもなりました。
    ●特許出願件数
     インド特許庁への特許出願件数は53,627件(2019年, WIPOデータ)で、内訳はインド居住者19,454件、非居住者34,173件です。これは、日本特許庁への特許出願件数307,969件(2019年)の2割弱です。なお、出願・手続言語は英語又はヒンディー語です。

    【2】インド特許法の特徴的な制度
    ●第一国出願義務(外国出願許可制度)
     インド居住者による発明をインド国外で第一国出願する場合は、外国出願許可(FFL)の取得が必要です。
    ●関連外国出願に関する情報提供義務
     インド特許出願と同一発明を他国でも出願している場合、他国特許庁の審査状況・内容等をインド特許庁に提供せねばなりません。
    ●拒絶理由解消期間(日本では慣習的に「アクセプタンス期間」とも呼ばれる。)
     最初の審査報告書(FER)の発送日から6カ月以内に、特許出願を特許付与可能な状態にしなければ、特許出願は放棄されたものとみなされます。この審査報告書は、日本の拒絶理由通知に相当します。「当該期間内に特許査定を受領せねばならない」という意味ではなく、「補正書や意見書の提出により拒絶理由を解消し特許付与可能な状態にした」と言える状態にすれば良い、ということです。また、この期間は申請により1回に限り最大3か月まで延長出来ます。
    ●更新手数料
     更新手数料は、出願日起算で第3年度から発生しますが、特許査定となった後にのみ納付が必要です。第3年度より後に特許査定となった場合、第3年度から特許査定を受けた年度までの更新手数料を所定期間内に纏めて納付せねばなりません。それ以降の各年度分の更新手数料は、納付済みの年度が満了する迄に納付が必要です。
    ●実施報告義務
     特許権者及び実施権者は、インドでの特許発明の商業的実施状況を毎年インド特許庁に報告せねばなりません。
    ●追加特許
     自らの特許出願に係る発明を改良・変更した際、追加的にその改良発明を特許出願出来る場合があります。

    以上簡単なご紹介となりますが、読者のみなさまの外国知財活動に少しでもお役に立てば幸いです。
                                                          国際知財委員会 弁理士 藤原 康高

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