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外国における特許取得事情/国際知財委員会 弁理士 花田 久丸

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 知的財産権の国際条約であるパリ条約では属地主義が原則であり、たとえ日本の特許庁で特許として成立しても、外国で特許を得るには各々の外国であらためて特許出願手続きをする必要があります。例えば米国の場合には米国特許商標庁(在ワシントンDC郊外)へ、日本の特許出願とは別個に米国特許出願手続きをする必要があります。そこは審査官、審判官はもとより、専門技術者や科学者等を含む10,000人以上の職員を抱える大きな行政組織です(ちなみに日本国特許庁の職員数は約2,800人)。そして米国特許商標庁への特許出願手続きは米国の特許弁護士により行われます。日本の弁理士を含む米国以外の弁理士は、米国では代理権がありません。
 この特許弁護士とは、一般の弁護士資格に加え米国特許商標庁が行うPatent Agentの資格を有し、現在全米で約45,000名が登録されています(日本の弁理士数は約11,500名)。日本の特許事務所へ米国特許出願を依頼すると、一般的にはその日本の特許事務所と日頃付き合いがある米国の特許事務所へ出願依頼を行います。ただし日本とは異なり米国では、総合法律事務所の一部門である特許部が日本の特許事務所に相当します。この場合、特許出願の質を維持するために日本の多くの特許事務所は、米国でも比較的大手の総合法律事務所へ現地代理人を依頼します。そしてその総合法律事務所の多くは、現地代理人としてエリート特許弁護士を揃えています。それ等のエリートとは米国東部の大手総合法律事務所の場合は、例えばアイビーリーグ等の有名法科大学院で成績トップ10%の学生の中から選抜した20名程に、夏季インターンシップという名目の実質的な採用試験を受けさせ、翌年の卒業時にその中から僅か数名を採用するといったレベルです。そのため採用された特許弁護士の初任給は、現在ではおそらくは年俸180,000ドル前後(約2000万円)のレベルとなります。これが新人特許弁護士のレベルですので、日本からの特許出願依頼を担当する中堅レベルであれば当然それなりの高額年俸となります。加えて大手総合法律事務所のフロントは、大げさに聞こえるかもしれませんが日本の一流ホテルのフロントかと見間違えるような立派な門構えです。
 従って当然、特許弁護士の時間チャージも非常に高額となります。例えば出願人が米国特許商標庁から特許出願に関する拒絶理由通知を受け取り、それに対する一般的な補正書と意見書を提出する場合、内容にもよりますが現地代理人費用だけでも少なくとも3,000ドル前後は覚悟しなければなりません。ではどの様にすれば少しでも現地代理人費用を軽減できるかと言うと、結局は日本側から現地代理人への応答指示を出来るだけ明確かつピンポイントで出すことに尽きます。間違っても「そちらで宜しく検討して米国特許商標庁へ応答しておいて下さい」、と言った応答指示は出すべきではありません。この様な経費的にいわば青天井の応答指示をすれば、後日ビックリするような高額の請求書が来る可能性があるからです。
 幸い東海地方の各県には特許庁事業としての知財総合支援窓口があります。そこでは弁理士が無料で相談に乗ってくれますので、特許や商標に関する外国出願をご検討中の企業さまは是非事前に相談されることをお薦めします。

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