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文理融合の人・弁理士

新聞掲載記事

     「考え方によっては科学というものは結局言葉であり文章である。」※1
     これは、戦前の物理学者、寺田寅彦の言です。意味する所は、科学が学問として成立するには、ある科学的内容にその内容を表すための言葉・文章が伴っている必要がある、ということのようです。理系然として見える科学ですが、言葉・文章という文系的側面が顔を見せています。科学者は文系的素養と理系的素養を備える文理融合の人であるべき、と寅彦は言いたかったのかもしれません。
     翻って、知財の代表格たる特許権を見てみると、これはある発明にその発明を表すための言葉・文章が伴うことで成立する権利です。冒頭の言に倣い、特許権というものは結局言葉であり文章である、と言えそうです。また、発明という理系的側面に言葉・文章という文系的側面が伴うとなれば、特許を扱う弁理士は文理融合の人であるべきと思えてきます。
     今後は文理融合の人が求められる時代だと近頃言われるようです。これが本当で、弁理士が文理融合の人とすれば、今後は弁理士が求められる時代だと結論できます。弁理士が求められるということは、知財業界、ひいては産業界が活発だということです。日本の未来は明るいでしょうか。
    ※1:寺田寅彦「科学と文学」(株式会社KADOKAWA)より
                                                                   弁理士 安田 宗丘

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