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医は仁術?

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 ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生が開発したiPS細胞は、いよいよヒトに対する治験の段階に入り、この細胞を患者に移植することにより、パーキンソン病等、様々な病気を治療することが盛んに研究されています。iPS細胞の製造方法等については数多くの特許出願がなされ、世界各国で特許が成立しております。それでは、そのiPS細胞を患者に移植することにより、様々な病気を手術・治療をする方法について、日本で特許をとることは可能でしょうか?

 答えは、「否」です。もし、このような手術方法や治療方法に特許が認められたとしたら、その手術の最中に特許権者から手術の差し止め請求が可能となり、患者さんは死んでしまうかもしれません。こうした人道上の理由から、日本の特許庁は「人間を手術、治療又は診断する方法」について、「産業上利用できない発明(なぜなら医療業は産業ではない!?)」という理由により特許を取ることができないとしています(ヒト以外の動物を手術、治療又は診断する方法は特許可能です)。「医療業は産業ではない」とは、「医は仁術なり」ということでしょうか。この取り扱いにより、医師は特許権侵害を心配することなく、手術や治療に専念することができるという訳です。

弁理士 青山 陽

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