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コロナ禍と知的財産権~中小企業の知財活動~

新聞掲載記事

     COVID-19が日本で指定感染症及び検疫感染症に指定されたのは2020年2月1日でした。特許行政年次報告書2021年版には2020年の出願状況等が報告されています。上記報告書から、COVID-19の流行下における出願件数等を、中小企業の知財活動の観点から概観します。表に、2019年と2020年における知的財産権の出願について、全体の出願件数と、中小企業の出願件数をまとめました。
     特許出願は307,969件(2019年、以下19年という。)から288,472件(2020年、以下20年という。)に減少した一方、中小企業の特許出願件数は39,597件(19年)から39,789件(20年)へ増加し、同報告書に別途掲載された「内国人出願における中小企業の出願件数比率」のデータによると、中小企業の出願比率は16.1%(19年)から17.5%(20年)へ増加しました。経済が停滞しても、中小企業が特許出願に注力している状況が分かります。
     実用新案登録出願は5,241件(19年)から6,018件(20年)へ増加し、中小企業の実用新案登録出願件数は1,888件(19年)から2,398件(20年)へ増加しました。中小企業の出願比率は51.1%(19年)から54.8%(20年)へ増加しました。中小企業が実用新案権を事業に積極的に利用している状況が伺えます。
     意匠登録出願は31,489件(19年)から31,798件(20年)へ増加し、中小企業の意匠登録出願件数は8,973件(19年)から9,192件(20年)へ増加し、出願比率も37.9%(19年)から40.9%(20年)へ増加しました。意匠登録出願についても、中小企業が積極的に利用している状況が伺えます。
     商標登録出願は190,733件(19年)から181,072件(20年)に減少し、中小企業の商標登録出願件数は94,532件(19年)から83,007件(20年)に減少し、出願比率も63.5%(19年)から61.3%(20年)に減少しました。しかし、中小企業の商標登録出願者数は32,303社(19年)から34,013社(20年)に増加していました。そこで、商標権が登録された商標登録件数を見ますと、109,859件(19年)から135,313件(20年)に増加していることから、恐らく使用予定または使用している商標に注力されたと推定されます。
     報告書からは上記のような傾向が読み取れます。
                                                                 弁理士 清水 聡

    出願件数(特許行政年次報告書2021年版)

     2019年2020年
    全体中小企業全体中小企業
    特許307,96939,597288,47239,789
    実用新案5,2411,8886,0182,398
    意匠31,4898,97331,7989,192
    商標190,73394,532181,07283,007
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