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製品発売後の特許取得方法について/弁理士 山中 晋

新聞掲載記事
  • 特許(発明)
  • 権利取得

 一般的に特許が認められるためには、新規性という要件を満たす必要があります。これは、特許を取ろうとする発明が、これまでに公知となっていなかった新しい発明でなくてはならないということです。自分の発明を出願するより前に同じ発明が世の中に知られてしまっていると、「新しい発明」とは認められません。
 ここで、発明を外部に公開するとその発明は「世の中に知られている」状態となるため新しい発明とはならず、その後に特許出願をしても特許を取得することができなくなってしまいます。発明を実施した製品の発売、展示会での発表やその技術の学会・論文発表、SNSの投稿やYouTubeへのアップロードなどが該当します。
 しかし、新規性喪失の例外規定の適用を受ければ、自分で公開した後でも1年以内であれば特許を受けることができます!
 例えば、企業と大学が共同研究を行っている場合に、大学が発明を学会発表した後にこの規定を適用して出願することがあります。大学としてはいち早く研究成果の発表を行うことができる一方、企業としてはその発明について特許を取得することができます。
 このように製品発売や製品展示、学会発表後に特許取得が必要となった場合でも、可能な場合がありますので、お近くの弁理士にご相談ください。

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