外国出願補助金制度/弁理士 樫田 恭子
新聞掲載記事- 海外
物価上昇が止まりません。そのため、特許取得の必要性や価値は理解しているものの、知財活動の予算確保に苦労している経営者の方も多いようです。クライアント様に外国出願の費用についてお話しすると、皆様その金額に驚かれます。しかしながら、知的財産権は国ごとに独立しているため、日本で特許権などを取得していても、外国では権利として成立しません。 海外市場で販路開拓などを行う場合は、その国での権利取得が大切です。
外国における発明などの権利化には、翻訳費用や現地代理人費用などがかかるため、国内出願よりも高額になりがちです。そのため、中小企業の戦略的な外国出願を促進・支援すべく、各種補助金制度が設けられています。例えば、INPITの「外国出願補助金」を利用すれば、出願に要する費用の一部(1事業者当たり300万円以内)を補助金で補うことができます。応募申請をし、審査に通過する必要がありますが、令和6年度は300社以上が出願手続きに関する補助金を受けています。また、中部各県の中小企業支援センターも、県内に本社を有する中小企業者などを対象に、海外出願費用の一部を補助する制度を設けています。
ぜひこれらの制度を積極的に活用し、外国における発明(特許)、考案(実用新案)、意匠または商標の権利化に役立てましょう。適用要件など詳細については弁理士にご相談ください。