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発明の「特別な技術的特徴」/弁理士 小澤 祥二

新聞掲載記事

     特許法第37条には、いわゆる、「発明の単一性の要件を満たす一群の発明」であれば、一の願書で特許出願できる旨が規定されています。ここで、「発明の単一性の要件を満たす一群の発明」とは、原則、同一の又は対応する「特別な技術的特徴」を有する一群の発明であって、「特別な技術的特徴」とは、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴とされています。

     特許事務所に所属している私は、お客様からの特許出願のご依頼に応じて、発明者である技術者の方との面談を行います。私は、面談に際して、技術者の方から発明の内容をお聞きすることで、特許出願を希望されている発明の「特別な技術的特徴」を文章で表現し、お客様に納得していただくことを最低限の目標としています。

     しかしながら、その発明の「特別な技術的特徴」が分かりにくい場合や、その発明に関連する複数の実施品が同一の又は対応する「特別な技術的特徴」でまとめることが難しい場合があります。このような場合、技術者の方が開発の現場で行った作業の内容を細かくお聞きするようにしています。一見すると無駄であるような作業であっても、その作業の積み重ねが発明の「特別な技術的特徴」を生み出していることは、十分に考えられるからです。
     したがいまして、技術者の方には、特許出願の面談に際して、発明そのものの内容に限定することなく、開発の経緯などその発明に関わる開発の現場での出来事を気軽に話していただければと思います。もしかすると、次の発明のヒントが見つけ出せるかもしれません。

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