アートと知的財産/弁理士 加藤 晃二
新聞掲載記事- 特許(発明)
近年、美術館などの展示施設では、作品を鑑賞するだけでなく体感して楽しむことができるイマーシブアートが取り入れられています。イマーシブアートは、施設内の壁や床に投影された映像に音響効果などを組み合わせることで、作品の世界に没入することができるコンテンツです。ソーシャルメディアを通じた拡散効果の高さから集客策としても注目を集めています。
イマーシブアートを含むデジタルアートの分野では、特許取得も行われています。例えば、表示画面上における人物の位置に応じて映像を変化させることで、没入感や臨場感を高める技術に関して特許が取得されています(特許第7174397号)。また、美術分野では、油絵に関する絵画の技法が特許として取得(特許第7248374号)されており、独自性を有する絵画の表現に保護価値が認められた事例もあります。
生成AIによって瞬時に画像や文章を量産できる時代において、企業や個人の「自分らしさ」を客観的に証明できる知的財産権の確保の重要性は益々高まっていると考えます。知的財産権の確保に関しては、弁理士にお気軽にご相談ください。