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意匠制度の保護対象について~建築物・画像等のデザインも保護対象になりました~

新聞掲載記事
  • 意匠(デザイン)

 意匠制度は意匠登録をすることにより製品等の独創的なデザインを保護するものですが、どのようなものが意匠登

録の対象になるのでしょうか。今回は意匠登録の対象となるものについて説明します。


1.意匠法上の定義

 意匠制度は意匠法という法律によって規定されています。そして、「意匠」とは、左記のものであって、視覚を通じて美感を起こさせるものと定義されています。

(1)物品(物品の部分を含む。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)、

(2)建築物(建築物の部を含む。)の形状等、又は、

(3)画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。)

 即ち、意匠登録の対象となるのは、(1)物品、(2)建築物、又は、(3)画像のデザインということになります。それでは、これらがどのようなものなのかについて説明します。


2.「物品」について

 物品とは、「有体物のうち、市場で流通する動産」をいいますが、要するに一般的な商品や製品と考えてよいでしょう。土地などの不動産や、電気、光、熱などの無体物は物品と認められません。また、有体物であっても、気体、液体など、そのもの固有の形状等を有していないものや、例えば砂糖のような粉状物や粒状物など、構成する個々のものは一定の形状等を有していても、その集合体としては特定の形状等を有さないものは物品とは認められ ません。ただし、角砂糖のように、その集合したものが固定した形状等を有するものは物品と認められます。

 なお、物品に該当するものであっても、機械の内部構造等、外部から観察できないものは意匠登録の対象となりません。


3.「建築物」について

 従来は意匠登録の対象ではありませんでしたが、令和元年の意匠法改正により、令和2年(2020年)4月から建築物も意匠登録の対象になりました。例えば、商業用建築物、住宅、工場、競技場、橋梁、煙突などが建築物としての意匠登録の対象となります。また、建築物の外観だけでなく、建築物の内部の形状等も、通常の使用状態において視認されるものについては意匠登録の対象となります。


4.「画像」について

 携帯電話の操作画面のように物品上に表示される画像や、DVDプレーヤーの操作画面のように同時に使用される他の物品(テレビ受像機)に表示される画像は従来から意匠登録の対象となっていました。これらに加え、令和2年(2020年)4月からは、例えば、クラウド上から提供される画像のように、物品から離れた画像デザイン自体が意匠登録できるようになるとともに、それらの画像が壁や床、人体等の、「物品」以外に投影される場合も意匠登録できるようになりました。なお、意匠登録できる画像には、商品購入用画像やアイコン用画像(操作ボタンを兼ねる場合)のように、機器の操作の用に供されるもの、又は、医療用測定結果表示画像や時刻表示画像のように、機器がその機能を発揮した結果として表示されるものであること等の要件があります。従いまして、映画等のいわゆるコンテンツを表した画像は意匠登録の対象とはなりません。


 今回の意匠法改正より、組物や内装のデザインなど、建築物や画像自体の他にも意匠登録の対象が拡充されています。詳しくは専門家にご相談下さい。

弁理士 伊藤 孝太郎


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