秘密保持契約について/弁護士・弁理士 清水 光栄
新聞掲載記事私は、普段弁護士業務をしておりますが、3年ほど前に弁理士登録をしました。今回は、基本的な知財契約の一つである秘密保持契約について、契約審査などを行っていく中で感じる注意点についてお話しします。
秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)とは、自社にとって重要な情報が相手方の第三者に対する開示によって流出しないよう保護するための契約です。
秘密保持契約を検討する際には、まず、対象情報範囲の設定に注意が必要です。例えば、自社が開示側であれば、リスク回避のため、秘密とする範囲は広くとることになります。また、秘密保持契約の主たる義務は秘密保持義務ですが、目的外使用禁止義務も併せて必要となることもあります。さらに、情報漏洩防止のため、秘密情報管理者の指定条項や立入条項、契約終了時の受領情報返還義務の条項、損害賠償額予定条項の設定をすることもあります。
なお、秘密保持契約をしなくても不正競争防止法上の「営業秘密」(2条6項)の保護で足りるのではないかと言われることがあります。しかし、「営業秘密」に該当するかは①秘密管理性②有用性③非公知性の三要件を満たさなければならない(2条6項参照)など、同法の保護から漏れる秘密情報も出てくることもあるため注意が必要です。