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商品などのネーミング-購買意欲を高める重要な要素-/弁理士 寺本 諭史

新聞掲載記事
  • 商標(ブランド)

 ビジネスの場面等で、新しい商品名やサービス名、会社名を決める際に、皆さんはどういう観点でネーミングされるでしょうか。コンセプト、読みやすさ、親しみやすさ、インパクト等、様々な観点があると思います。

 本記事では、世界的企業の「アマゾン社」、「グーグル社」の名前の由来を紹介しつつ、ネーミングについて触れたいと思います。

 「アマゾン社」の名前は、世界最大の流域面積を誇る南米のアマゾン川に由来しています。ネーミングに際して、創業者のベゾス氏は、電話帳の会社リストがアルファベット順に並んでいることに着目して、そのリストの上位に来ることを重要と考え、辞書で「A」から始まる単語を調べたそうです。そうしたところ、「Amazon」という単語が目に付き、自らの会社が広大なシェアを得られるようにという思いとマッチして、その名前が選ばれたとされています。

 また、「グーグル社」の名前は、10の100乗という意味の単語「Googol(グーゴル)」に由来してします。検索エンジンが膨大な情報を提供していくという思いが込められているようです。しかし、ドメイン登録時の綴りミスによって「Googol」が「Google」になったといわれています。もし綴りミスがなかったら、「ググる」という言葉は生まれなかったかもしれません。

 今では、「アマゾン社」のショッピングサイトも「グーグル社」の検索エンジンも私達の生活に深く浸透しています。会社名をはじめ、商品・サービスの名前は、私達消費者にとって親しみや購買意欲を高めるための重要な要素となります。例えば、商品の名前が売上に影響した事例として、株式会社伊藤園の「お〜いお茶」があります。発売当初の名前は「缶入り煎茶」でしたが、消費者に分かりやすく、呼びかけるような名前に変更したことで売上を大きく伸ばし、現在でも親しまれています。また、親しみを抱かせる代表的なネーミングとして、「人名のような名称」を付けるという手法もあります。対話型AI「ChatGPT」が「チャッピー」の愛称で呼ばれているのも親しみやすさからきていることでしょう。

 近年では、ネーミングの重要性がますます注目されており、優れたネーミングを選出・表彰する「日本ネーミング大賞」が2020年より毎年行われています。過去の受賞作を見ますと、様々な工夫や開発者の思いなどが込められており、ネーミングの新たなヒントが得られるかもしれません。ちなみに、2025年の大賞は、花王株式会社の「職場のロリエ」でした。

 このような商品・サービス等の名前やロゴは、「商標権」という知的財産権で保護することができます。商標を保護することによって、そのような名前の模倣を防ぐことができると同時に、私達が安心して商品を購入したり、サービスを利用したりできるようになります。

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