弁理士業務へのAIの活用/弁理士 尾上 明史
新聞掲載記事- 戦略/活用
- 時事
昨今、弁理士業務において、生成AIを活用する動きは一層盛んになっています。例えば、中間業務、特に、特許庁からの拒絶理由通知への応答を検討する場面における生成AIの活用は、短時間で拒絶理由対応の糸口や方向性を見いだすことができるため、従来プロセスを効率化できる点で有効な手段となります。私がこれを実感したのは、特に、新規性・進歩性の拒絶理由対応を検討する場面です。生成AIに、拒絶理由通知、引用文献、本願明細書等をアップロードし、適切なプロンプト(指示)を与えることにより、審査官の認定の妥当性、本願発明と引用文献記載の発明との相違点、及びそれらを考慮した反論や補正案、などの成果物を、生成AIに短時間で提示させることができます。このようにしてもたらされた成果物は、別途、その妥当性を評価する必要がありますが、少なくとも拒絶理由を解消させるための対応案の糸口や方向性を短時間で見いだすために有効利用できるものであり、業務効率を上げるために役立ちます。
今回、中間業務への生成AIの一活用例を紹介させて頂きましたが、弁理士業務への生成AIの活用が着実に浸透しつつある状況下において、生成AIを用途に応じて適切に使いこなせるようにすることは、今後、弁理士業務を行う上で重要なことであると感じています。