日本弁理士会東海会 堀研一会長に聞く
新聞掲載記事- 弁理士会
日本弁理士会東海会の2026年度会長に堀研一氏(弁理士法人明成国際特許事務所共同経営者)が就任した。東海会は愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県下の弁理士で組織している。本年度は、支部開設30周年の節目の年を迎える。「30年後の東海を知的財産で輝かせる」を本年度のミッションに掲げる堀会長に抱負などを聞いた。(聞き手・大蔵敦生)
ー開設30周年の大きな節目を迎える。ミッションに込めた思いは。
「弁理士会東海会は全国で2番目の支部として開設されました。セミナーや座談会など、新たな仕組みを生み出しながら着実に発展してきました。本年度は、この歩みを礎としつつ、この先の30年を見据えて取り組みを進める一年にしたいと考えています。この先の人口減少社会では、これまでよりも少ない人員で地域を維持していくことが求められます。そのためには自分たちが日々の仕事の中で生み出している製品やアイデア、工夫などといった無形の価値を知的財産という『目に見える形』にして積極的に活用し、付加価値を生み出していくことが不可欠です。東海会では、前年度からキャッチフレーズとして『知的財産ステキ財産』を打ち出してきました。本年度はさらに、キャッチフレーズ『知財の森に生きる私たち』も加えました。普段の生活の中には自ら考えた知財というステキな果実や花が目の前にあり、さらに、他者の知財にも囲まれている、という意味を込めました。知的財産は遠くにあるものではなく、身近な存在であるということを伝えていきたいと思います」
ー本年度の重点事業は。
「毎年、前身である東海支部の開設日(1月31日)を記念し、1月末頃に『知的財産セミナー』を名古屋市内のホテルで開催しています。本年度は来年1月28日に、30周年を記念して式典も併せて行う予定です。セミナーでは、東海地方を代表する企業や知財を活用して下請け構造から脱却した企業、スタートアップのそれぞれの知財戦略を紹介していただきます。これまで身のまわりの知財に対して行動していなかった方々にとって、知財を見える化し活用を考えるきっかけとなる場にしたいと考えています」
ー若い世代を対象にした事業にも力を入れている。
「昨年10月、従来のイベントを刷新し、20~30代を対象にした『知財フェス』を開催しました。地元出身のお笑い芸人や、オモシロ発明を生み出すユーチューバーなどを迎え、対象世代に、知財や弁理士の仕事を知ってもらうことができました。本年度も企画を充実させ、効果的な周知・啓発活動を進めていきます」
「30年後の東海を見据え、次世代を担う子どもたちを対象にした知財教育にも一層力を入れて取り組みます。特に小学生向けには、学校生活の中で誰かが思いついた工夫を、皆で活用し、それを思いついた人を尊重する、という価値観を広めたい。キャッチフレーズ『思いついた人はエライ!』を掲げ、教育機関や自治体、発明クラブなどと連携して知財教育に取り組みます」
ー情報発信にも取り組んでいる。
「知財を『目に見える形』にする第一歩となるように東海会のホームページを改訂します。例えば、他社からの権利行使を契機として課題を認識した事例など、知財活用に取り組んでいる企業が力を入れるようになった事例を取り上げます。知財活用への新たな気づきと行動につなげたいと考えています。また、特許出願や意匠登録出願、商標登録出願などに至るまでの多様な選択肢を提示し、利用者がそれぞれの段階で意識すべきポイントを理解した上で弁理士にアクセスできるような、情報ページも設けたいと考えています」